ヘレス・フェスティバル@ペーニャ

早いものでフェスティバルも前半が終了。今年のフェスティバルの公演&近郊で行われるフラメンコの公演はは良いものが非常に多く、当たり年とも言えそうです。

さて、今年は週末の昼間にペーニャでライブが行われております。ペーニャとは愛好家の皆さんにより組織された会であり、ペーニャ主宰のフラメンコライブがフェスティバル中も見ることができます。(余談。ペーニャとはフラメンコの世界にだけあるものではなく、サッカーのペーニャなどもあったりします。)

さて、ペーニャの公演は夜に行われることが多いのですが(また余談。モロンでは昼間だそうですね。)、今回は週末の昼間とあって、老いも若きもご婦人も紳士も沢山の人でごった返し。出演者の応援に駆け付けた地元の人達が温かい空気を作ります。

ヘレス・フェスティバル@ペーニャ最初の土曜日はペーニャ・ペスカエーロでマカレナ・デ・ヘレスのライブ。私はクラスの関係で後半しか行けなかったのですが、力強い声とパタイータにすっかり引き込まれて、クラスの疲れもなくなりそう。ヘレス名物でもある酷い音響を笑い飛ばして、プラスエラのブレリアに心を踊らせました。
その後「私の生徒たちとフィン・デ・フィエスタをします!」とマカレナが言うと、子供から大人までうきうきと舞台に上る。その中には車椅子に乗った子供やダウン症の子供もいた。
「Vamos !!」の声と共にパルマとギターがブレリアを始めると、一気に空気が凝縮し客席も舞台も一瞬にして一体化する。お洒落をしている男性、町でいつもおしゃべりをしているような奥さま達、そして車椅子の子供もダウン症の子供もみんな楽しそうに踊る。客席では家族が最高のハレオをかけ、空気はいよいよ大きくなる!踊り終わった後の誇らしげな顔、家族の笑顔。どれもこれも宝石のように輝いていた。

ヘレス・フェスティバル@ペーニャ次の日はサンティアゴのペーニャ・ルイス・デ・ラ・ピカ。マリア・テレモートとファン・ディエゴのライブ。まだまだ若い彼女だが、丁寧に歌う姿が印象的。身体の奥から絞り出されるような声に思わず「オレ!」と声が出る。立ち見であったが、周りの人達は「聞いたか、今のソレア!」「マリア、なんて素晴らしい声なんだ!」と終始声がかかる。
ファン・デ・フィエスタはサンティアゴらしく賑々しく始まる。舞台には地元の子供が上り、踊りたくて仕方ない様子!大人が促すとちょっと躊躇しながらも、踊りだす。また客席は大きく盛り上がる。
ヘレスのフラメンコはこうして確実に受け継がれていく。なかなか見ることは出来ないが、ここで暮らす人々中に生きているフラメンコを垣間見ることが出来ると、とても美味しい食べ物をこっそり口にしたような幸せを感じるのでありました。