カディス!

カディス!
 

さて、前半の公演で思ったこと。今年はカディスが熱い!1週間にホセ・アニージョ、ダビ・パロマール、ロサリオ・トレドの公演がそれぞれありました。それぞれがカディス出身のアーティスト。
ダビは芸達者である彼の持ち味をいかんなく発揮。軽快なカディスのブレリアから始まるとらその後はラファエル・ロドリゲスとの重厚なソレア。また、チャノ・ロバートへのオメナヘに笑ったり泣いたり。美しいセビジャーナスに、これぞカディスというタンギージョ!最後は語りかけるようなナナで公演は終わる。最初から最後まで、ダビ・パロマールの良さを存分に堪能出来た公演でした。

さて、一方のホセ・アニージョ。派手さはないが、ひとつの音、言葉をしっかりと温めながら歌う。ブレリア・デ・カイからアレグリアスの流れがうまい!思わずハレオを口から飛び出す。ギターのラファエル・ロドリゲスがダビの舞台に続いてこの日も伴奏。次から次へと泉のように音が湧き出る。会場の空気は一気に温まり、ひとつになっていく、そんな素敵な舞台でした。考えてみれば踊り伴唱以外でホセを見たのは初めてでした。更に良い歌い手になっていきそう。

最後はロサリオ・トレド。強靭とも言えそうな彼女の身体から織り成される空気の色は、青かったり赤かったり澄みきっていたり。ADN(DNA)というタイトルが表すものは彼女の踊り手としての信念なのか、それともカディスへの誇りなのか。同郷のホァン・ビシャールとのソレアが素晴らしい。少々残念な部分もありましたが(これから見る方もいるかも知れないので敢えて書きません!)、心に残る夜でした。

今年のフェスティバルはそれぞれの土地の特色を出す公演が多いように思います。おらが村自慢は楽しいですな。カディスに行って青い空を見ながら、新鮮な魚介でも食べたくなりました。