哀悼 パコ・デ・ルシア

哀悼  パコ・デ・ルシア
哀悼  パコ・デ・ルシア
 

2月26日、パコ・デ・ルシアが亡くなった。享年66歳。あまりにも若い旅立ちである。メキシコの海で子供達とサッカーをしている際に心筋梗塞に襲われ帰らぬ人となった。彼の故郷でるアルヘシーラスの市役所には記帳に訪れる人の長い列が絶えず、悲しみに堪えているという。
20数年前私が初めて買ったフラメンコのCDはかマロンだった。その声、歌、全てに衝撃を受けた私は、同時にこの素晴らしい歌手の伴奏をするギタリストに興味を持った。それがパコ・デ・ルシアだった。天才と言われた彼のギターは今までの人生では聴き得なかった響きを持ち、その響きの輝きにあっと言う間に魅了された。初めてパコを生で見たのは渋谷のオーチャードホール。ドゥケンデ、カニサレス、ホアキン・グリロ、ホルヘ・パルドなどを従えた彼のセクステット(6人組)だった。なんと贅沢なグループだったことだろう。勿論終演後には知人と醒めやらない興奮と思いをワイングラスを片手に熱く語った。
きっとカマロンは天国に来たパコに「おいおい、随分待たせたな。待ちくたびれたぞ。さあ、ギターを出せ。」と言ったに違いない。そして今頃は終わらないフィエスタの真っ最中だろうか。心からご冥福を祈ります。DEP.