初舞台のこと

初めてのフラメンコの舞台に立った記憶ってありますか?大概の場合、発表会のセビジャーナスとかルンバかと思います。

フラメンコを始めて最初に発表会の機会が訪れたとき、私はまだ10代の学生でした。靴とスカートを揃えるだけで必死、さらに毎月のレッスン代で目一杯だった私は、残念ながら最初の発表会は出演を諦めました。

しかしながら次の年にやってきました、初舞台!それはなんと日比谷野外音楽堂の真夏の夜のフラメンコ。何がなんだか分からないうちに出演することになっていて、あっという間に衣装があてがわれ、赤い靴しか持っていなかった私は本番前日に靴を黒く染め、大先輩の踊り手さんの指示のとおりにセビジャーナスを踊る日がやってきました。友達達とワイワイしている中、私達の面倒をすべて見てくれていた大先輩がふとどこかへ消えたのです。気に求めずガヤガヤしていると先輩が真っ赤な目で戻ってきて「すごかった、本当にすごかった。あなた達、何で見に行かなかったの?」と。先輩が見に行った人はホアキン・コルテスでした。残念ながら私達はどうにも勉強不足で、自分が出ている同じ舞台で踊る人がどんな人かも知らず、それに興味すら持っていなかったのです。実際そう言われた後にも「はぁ。。」程度の返事しか出来なかったけれども、その先輩の真剣な目は今でも忘れられない。

日々を振り返るとあの時分かっていたら、勉強していたらと思うことだらけ。それでいいのかな。いや、それではもったいない。明日は少し勉強しよう!

ホアキン・コルテスをご存知ない方、先日のブログで紹介したカルロス・サウラの「フラメンコ」に出ています。ぜひ見てみてくださいませ。

※昨日の答えは諸事情により明日に持ち越します!