フェスティバル前半終了

フェスティバル前半終了
フェスティバル前半終了
フェスティバル前半終了

今年はヘレス・フェスティバルが20周年という節目の年。そのせいか、今年は多くの公演、イベントが行われ、また主催のテアトロ・ビジャマルタ以外の「フェスティバルOFF」と呼ばれる企画も数多く行われている。そのため、何を見に行くか検討するのも大変な作業。涙を飲んで諦めた公演もありました。

今年は歌の公演が充実。中でも前半の特筆すべき公演は2つ。ひとつは「Los Viejos de la Peña Bulería 」。直訳すれば「ペーニャ・ブレリアの爺様方」。DVDでもお馴染みのこのお爺さんたちは、その年月の深みをそのまま歌い上げ、またそれでいて明るい。燻し銀という言葉がぴったりのエル・ガソリーナのティエントは心に染み渡る。ミヒータの空気を包み込むような歌声には、思わずにっこりとさせられてしまう。エル・ソリの軽妙なブレリアの一振り、ホァニートの柔らかい動きと語り口。これこそが世界遺産!VIVA JEREZ!!

もうひとつはヘスス・メンデス。舞台に上ったときから、もう何かをまとっていた。丁寧にそして力強く歌う姿に心が動かされる。ソレアではヘススの身体の内側から響きだす声に身体が震えた。ファンダンゴでは思わず涙がこぼれた。
ヘススの公演の次の日、新聞の見出しは「El Camin hacia Olimpo (オリンポスへの道)」だった。そう、この日のヘススは神々しささえ感じさせた。きっと彼はグラン・アルティスタになるだろう。それを見続けていたいと心から思った夜だった。深夜に帰宅したにも関わらず、思わずワインの栓を開けてしまった。乾杯をせずにはいられなかった。