BAILA☆ONAGAWA

2016721124622.jpg先週末宮城県の女川へ行ってきました。踊り手の久田麻美さんが4年間にわたって続けている「BAILA☆ONAGAWA」。女川の復興を願うと共に、被災地に笑顔をというコンセプト。今年は是非仲間に入れてくださいとお願いをして、仙台を経由して行ってきました。

当日は生憎の雨模様。屋外イベントなのにどうするのかなぁと思っていたら、地元の人や実行委員の人達がてきぱきとテントを立てたり、機材が濡れないように養生したり、みんなニコニコしながら準備をしている。到着した時にすでにフラメンコの衣装に着替え、明るく談笑する人たちも多い。被災地でのイベントに初めて参加する私として、どうも居方が分からない。

女川への電車の中で隣になった女性がいた。「どちらへ行くんですか」「女川です」「今日は泊まるんですか。だとしたら女川の宿ってどこかしらねぇ」なんてたわいもない話から始まった。電車が石巻から走りだしてしばらく、同じような新しい家が続く風景に出会った。「この辺は田んぼを埋めて復興住宅にするんですよ」と彼女。「うーん、なかなか進まないですねぇ。実はうちの母もまだ仮設(住宅)でね、なかなか復興住宅が抽選で当たらないんですよ。今日説明会があるんだけど、母も歳だから私にも話を聞いて欲しいってことで今日は出てきたんです。」こういう話をどういう顔で聞いていいのか、正直な気持ちとして迷った。返答は「そうでしたか。。」を繰り返すばかり。でも彼女は驚くほど平常に話す。「うちの母校も流されちゃってね。海沿いにあったんだけど。まぁ第二の防波堤の役割をしてくれたみたい。もうないんだけど。」そこまで話をして彼女はお母さんの待つ仮設住宅へ向かうべく電車を降りて行った。その後の車窓からも新しい建物が沢山見える。新しく生まれた物たちに、何やら重い気持ちを引き出される。

女川駅は驚くほどきれいだった。そして目の前に広がる商店街は本当に素敵だった。電車で会った女性は日常を生きていた。そんなことを考えていたものの、お腹は減るのでありまして、商店街のマグロ丼専門店でお昼を頂く。新鮮なお刺身、剥き身、そしてプリプリのイクラがたっぷりと乗る!あー、幸せ。さすが海の町。

「BAILA☆ONAGAWA」に関わる人たちはみんなずっと笑顔で楽しそうだった。今回私はいつものソレアを踊らせてもらったが、商店街の真ん中に作られた舞台で踊る間、視線の向こうにはいつも海が見える。すべてを飲みこんだ海が見える。お腹の中がずっとざわざわとする中、ソレアを踊る。大きな不安と動揺を感じていたのに、周りの人達はみんなキラキラしていた。踊り終わったあとは、風景がにじんで見えた。目の前にある美しい海、それはすべてを奪った海ともいえるのかもしれない。その海を愛してその海と生きていく女川の人々。この強さは何なのか。そしてその強さは美しい。その美しさの光をちょっとだけ浴びることが出来たことに感謝する。

次の日は打って変わった晴天。抜けるような青さの空、光る海。空と話が出来るような気がした。また必ず来よう。

そしてこのイベントを4年間ずっと続けているマミーニャを本当に尊敬します。参加している人たちすべてが幸せそうで、笑顔に溢れている。そんな時間を作りだしてきたマミーニャ、今回は本当に参加させてくれてありがとう。そして女川で出会ったすべての皆様とのご縁に心から感謝します!本当にありがとう。

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