初めてのフラメンコCD【Una Leyenda Falmenca-Camarón de la Isla】

生まれて初めて自分のお金で買ったLPはキャンディーズ。その十数年後初めて買ったフラメンコのCDはCamarón de la Isla(カマロン・デ・ラ・イスラ)の「Una Leyenda Flamenca」でした。当時まだ24歳、フラメンコのことを色々知りたい知りたいと熱く思っていた時代。とにかく何か聴いてみなくちゃと当時新宿丸井の下にあったHMVへ飛び込んだ。

思ったよりもフラメンコのコーナーは充実していて(2~3枚しかないんじゃないかと思っていた)、逆に選ぶのが難しくなった。そもそもジャケットの写真の人が歌い手なのかギタリストなのかも分からない。何を手掛かりにすればよいのか、あぁ、どうして先生に聞いてこなかったんだと頭を抱えた。そんな中「カマロン」の文字が目に飛び込む。ん?この名前何だか聞いたことがある、いいやこれにしちゃえ。そうやって記念すべき私の一枚目のCDは決められた。

家に帰って早速聴いた。ひっくり返った。なんだこりゃ、こんなに面白いCDが世の中にあったのかと驚いた。知らない世界に一歩足を踏み入れたその瞬間は快感と興奮であふれていた。毎日毎日そのCDを通勤で聴き、「Rosa María」を歌いながら駅まで歩いていた。誰か好きな人が見つかるとそこからは早い。何か目が開いたように新宿のHMVと銀座の山野楽器に通い詰めた。元来オタク気質である。やり始めたら徹底的に夢中になるのは若い頃からの性質。

よく「何かお勧めのCDはないですか」と聞かれることが多いが、少し前まではいつでもカマロンのCDを勧めていた。今でもカマロンの録音の中では一番好きなのは「Camaróm en Paris 1987」。ギタリストTomatitoとの公演のライブ録音。DVDも出ているが何回見て何回聴いたか分からない。

カマロンがあの時新宿の丸井で私を呼んでくれなかったら、その後こんなにもフラメンコを聴き漁る人生を送ったでしょうか。会ったこともない超スーパースターに心の中でずっと感謝をしている。明日のストレッチのBGMはカマロンにしようかな。