沖縄へ行ってきました②~空と海と梅酒~

2014630171510.JPGさて、何時に寝たのか分からないのですが、次の日の集合は朝の9時。ホテルでの美味しい朝食をたらふく頂いて待ち合わせ場所へ。総勢8人+1.5歳児という大所帯。かしましいを遥かに超えた道中の始まりです。まずは知念の岬へ。これぞ沖縄という海の美しさに一同歓声。日差しの強さはなんのその、空と海の美しさを満喫。
そしてそのあとは斎場御嶽(せいふぁーうたき)へ。沖縄で最も神聖な場所であるここは、流れる空気にも緊張感を感じる。案内をしてくれているHちゃんがこの場所を大いに尊敬し大事にしていることが言葉や所作の一つ一つから伝わり、思わずこちらも心が引き締まる思い。前回に来た時は雨だったが今回は快晴。同じ場所とは思えない空気感に驚く。何かは分からないが、特別な場所だということだけは肌で感じられる。

さてその後は海岸へ行ってご飯を食べて海に入って大騒ぎ。大雨に降られたり、突風を受けたりしながらも騒がしくも楽しく時間を過ごしていく。さてそろそろ荷物を片付けようかとなったところでKちゃんが「あの。。」と口を開く。「実はあの梅酒を持って来ているんです。」

今から10年前の2004年、今回の旅メンバーはイベリア・アカデミアの生徒だった。彼女たちにとっての二回目の発表会を迎えた日、その日の打ち上げで何やら大きな荷物を出してきた。「今日皆で梅酒を漬けて、来年の発表会で飲みましょう!」と言う。なんて面白いことを考えるのでしょうと、みんなで大騒ぎしながら、表彰式でよく流れるあの曲(タイトルが分からない。。誰か教えて下さい)を歌いながら一人ひとり順番に梅を漬けこんだ。その後この梅酒は何かあるときに少しずつ皆で飲んできたが、ここ数年は出てくる機会がなかった。管理していたKちゃんは、ちょうどみんなで少しずつ飲むのにちょうど良い量が残っていたので、それをわざわざ沖縄まで持ってきたという!

2014630173214.JPG10年も熟成した梅酒はまるでブランデーのようだった。濃厚でそれでいて優しく、そしてその味は私たちの10年間のようでもあった。12年前に独立をして初めての生徒ともいえる彼女たちであったが、試行錯誤をしながらクラスを続ける私をずっと支えてきてくれた。ある人はフラメンコを続けることが出来なくなったり、Hちゃんのように違う場所へ移って行ったり、ある人は結婚したり子供を産んだり、それぞれが10年前には思いもしなかった日々を送ってきた。それでもこうして集まるとまるで小学校の同窓会のようにあっという間に昔に戻る。それぞれが生きてきた日々をみんなが大事にし尊敬をしている。それは限りなく優しい。

豊かな梅酒にほろ酔いになったら、荷物を持って帰路へ。それぞれの飛行機の時間が迫ってきている。皆がほんの少しの寂しさを胸に秘めながら、その時間ギリギリまでまたもや大笑いして過ごす。まだちょっと時間あるね、と言ってもう一度乾杯。次にまたいつこうやって皆が集まるのか分からないけど、今この大事な仲間と過ごす時間を目一杯楽しむ。
飛行機の時間だねと、またね、と言って私とKちゃんが最初に去る。Kちゃんの目が真っ赤になっていた。でも今生の別れではない。また時間を作ればいいのだ。さて、次はいつにしようか。

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23時過ぎに家に帰宅。現地のスーパーマーケットで買った海ブドウをつまみながら、相棒が持っていた嘉手苅林昌のCDを聴く。この旅ですっかり沖縄ファンになった私は、来年一緒に行こうと相棒に提案。もともと沖縄にのんびり行きたかった相棒は快諾!よしいつ行こうか、行くならどういう風に過ごそうかなんて考えていたら、昨日頂いた泡盛を飲み始めていた。心地よく時間は過ぎ、気が付いたら朝日の気配。

今晩のおかずはこれまたスーパーで買ってきたゴーヤと島豆腐でゴーヤチャンプルーと致しましょう。またちょっと泡盛を舐めようか。